労基署立ち入り対応
厚生労働省「若者の使い捨てが疑われる企業等への取組を強化」を発表
厚生労働省は平成25年9月を「過重労働重点監督月間」と指定し、具体的に長時間労働とパワハラを挙げて、若者の使い捨てが疑われる企業、全国4000社を対象に重点的な監督指導を行うとしています。
その選定の仕方は、労基署・ハローワーク利用者からの苦情や通報からとしています。
9月に行うとのことですから、あと1か月後には4000社が立ち入り検査を受けることになります。
今回は立ち入りされただけで「若者の使い捨てが疑われる企業」ですから、それだけで企業イメージによくないですね。
ただ、こうした指導などは比較的行われており、
平成24年だけでも13万件に監督・指導、割増賃金に限っても2万件もの違反に指導を行っています。
更に労働者からの具体的な申告があったものは、これとは別に3万1千件あり、それについても監督指導を行ったとしています。悪質な場合や結果が重大ですと労働基準法違反で送検もあり、今回も行うとしています。
うつ病だけではない労災請求 時間外80時間超の従業員はいませんか?
長時間労働によるうつ病など精神疾患罹患での労災請求が近年増えていますが、過重労働などで労災認定されるのはうつ病だけではありません。脳疾患や心臓疾患も過重労働での認定対象です。
過重労働による労災認定を受ければ、当然企業側の安全配慮義務が問われます。脳・心臓疾患の病気となれば重篤なものも多くあります。そうすれば桁違いの支払い義務を負うことも考えられます。多くの中小企業では存続の危機にもなりえるでしょう。
1か月に100時間超の時間外労働、慢性的に月80時間を超える時間外労働を行っている社員はいませんか?
その社員は過重労働状態にあると言えます。もし一たび脳疾患や心臓疾患を起こせば、その方が労災請求をし、企業が安全配慮義務を怠ったとされる可能性があります。
特に今ではWeb上にこうした請求方法がたくさん掲載されていますので、もししようと思えば請求するのは比較的容易です。労働者の権利意識が高まっている中では、労災請求を減らすのではなく過重労働自体を減らす取り組みが必要です。